この記事では、退職後の社会保険給付金(傷病手当金)を受給するデメリットについて、ご案内させて頂きます。
記事を書いている、私、三浦龍馬自身は元受給者であり、現在は累計で数千名の給付申請のサポートを行っております。
そうした経験から、プロの目線と元受給経験者の目線の両方から、社会保険給付金のデメリットをご紹介させていただきます。
加えて、私やほかの受給者様が、デメリットをどう対策していったかについても掲載しました。
社会保険給付金とは
社会保険給付金とは、休職時もしくは退職した後に受給することができる給付金です。
公的名称を傷病手当金といいます。
ここでは退職して申請する前提でお話してきます。
社会保険給付金だけで最大18か月受給することができ、
失業保険と合わせると最大で28か月(45歳以上64歳未満で最大30か月)になります。
社会保険給付金の申請する3つのデメリットと対策
社会保険給付金を申請するデメリットは、下記3つです。
1.給付期間が長期になり、怠惰に過ごしてしまう可能性がある
2.受給期間中は、お仕事を行うことが原則できない
3.受給期間中は、「医療保険」(場合により生命保険)への加入条件に影響が出る
1つずつ解説します。
1.給付期間が長期になり、怠惰に過ごしてしまう可能性がある
こちらは、なんとなくイメージいただけるのではないでしょうか。
失業保険と合わせますと最大で28ヶ月(約2年半)にもなりますので、良くも悪くも学生時代以上に時間ができることでしょう。
もっとも、これまで頑張った分、休息をとるのは決して悪いことでは無いと思います。
ただ、退職のバタバタが落ち着いた頃からで構いませんので、
ぼんやりとでも、計画を立てておけるといいでしょう。
対策方法
誰しも人間ですから、ある程度ダレる時期があるのは仕方がないことです。
再就職に成功されたお客様からも、良い意味で「2-3ヶ月くらいはぼーっと過ごす時期があった」とよく聞きます。
ただ、怠けすぎないためにも、おおまかな計画をたてておくことをおすすめします。
計画を立てるポイントは、「いつまでに再就職したい」だけでなく、「いつごろから情報収集を開始する」「いつごろからハローワークや転職サイトに登録する」などの着手日を決めることです。
就活に成功したお客様からは、これらを社会保険給付金の受給中に考えておいたことで、動きやすくなったと聞きます。
また、こちらは失業保険に切り替え、本格的に就活をはじめたあとのお話になりますが、
転職エージェントなど、外部の支援機関を使い倒すという方法もございます。
「自分ひとりだと怠けてしまうが、誰かと約束があれば渋々でも動ける」といった方には特におすすめです。
こちらのお客様の動画インタビューにて、エージェントを活用してホワイト企業に再就職された体験談が語られています。ぜひご参考ください。
2.受給期間中は、お仕事を行うことが原則できない
こちらは、社会保険給付金のルールです。
社会保険給付金の受給中は、原則としてお仕事を行うことができません。
失業保険受給時のような、週20時間以内のパートであれば良いなどの措置もありませんので、注意が必要です。
※例外として、医師等の許可があれば認められることもございますが、その可能性は低く、期待はできないものとお考えください。
なお、株式投資や家賃収入など、労働の伴わないであれば認められることもございますので、該当する方は個別にお問い合わせ下さい。
対策方法
社会保険給付金の期間は、基本的にはじっくり休養するためのものでもあります。
もし、どうしても金銭的に厳しいという場合は、1-3ヶ月の短期で受給を自ら打ち切り、失業保険に切り替えることをご検討されると良いでしょう。
失業保険の認定が始まり、ハローワークの許可を得ていれば、失業保険を受給しながらアルバイトをすることも可能です。
3.受給期間中は、「医療保険」(場合により生命保険)への加入条件に影響が出る
社会保険給付金は、心身の不調を理由に給付を受け取るため、通常の退職と比べて影響を受ける可能性がございます。
既にがんを発症していると、がん保険に入りづらくなったり、保険料に影響が出るのと同じようなことです。
ただし、あくまでも保険会社次第ですし、時間が経てば評価は改善されていきます。
対策方法
ここで大切なポイントがあります。
それは、加入しづらくなるとすれば、社会保険給付金を申請するからではなく、あくまで症状そのものが要因ということです。
ですので、「どうせ、症状がきっかけで入りづらくなるのであれば、せめて給付位は貰っておいたほうが良い」とも言えますね。
再就職時に面接で落とされる?
「社会保険給付金を申請することで、再就職時の面接に落とされたりしないですよね?」
という質問をいただくことがあります。
こちらについては、心配不要です。
面接官としても、個人情報ですので調べるのは困難でしょう。
ただし、社会保険給付金を申請するきっかけになった症状については影響を与えることがございます。
わかりやすい例ですと
- 意識を失う病気をお持ちの方が、車の運転を伴う業務につく場合
- 喘息や肺炎をお持ちの方が、配管工など症状を悪化させる恐れのある仕事につく場合
など、就労に影響を与える傷病をお持ちの場合は、法令もしくは会社のルールとして、あらかじめ申し出なければならないケースが出てまいります。
ただし、この場合も、申し出るのは給付を受けていたことではなく症状についてです。
言い換えれば、給付を受けていても受けていなくても申し出は必要になりますので、そうであれば受けていたほうが良いとも言えるのではないかと思います。
退職そのもののデメリットと混同しないこと
住宅ローンの審査に影響は出るの?
「退職後に家を建てようと思うのですが、住宅ローンの審査に通らなくなるのではないですか?」
という質問をいただくこともございます。
しかし、冷静になって考えてみますと、そもそも仕事をしていない時点で、住宅ローンの審査には原則通りません。
よって、ローンのことだけがネックであれば受給してしまった方がお得といえますね。
こうした、社会保険給付金のデメリットと、退職することのデメリットを混同させてしまわないように注意が必要です。
社会保険給付金を申請するメリット・デメリットの両方を元に判断しよう
社会保険給付金の申請には、
1.給付期間が長期になり、怠惰に過ごしてしまう可能性がある
2.受給期間中は、お仕事を行うことが原則できない
3.受給期間中は、「医療保険」(場合により生命保険)への加入条件に影響が出る
というデメリットが有りました。
ただ、デメリットもあれば、当然メリットもございます。
給付(お金)を受け取れることはもちろんですが、実際に受給されたお客様からは、お金よりも受給することによって生まれる”時間”こそが最大のメリットであったとおっしゃいます。
失業保険とあわせて最大28ヶ月の長期給付になりますので、しっかりと休養したあとは、資格取得やスキルアップ、就活でいろいろな会社さんを見てみるなどの活用方法があります。
この時間ができたことで、
- 自分にあった企業を見つけた方
- ホワイト企業で働くことができた方
- リモートワークができる仕事についた方
- 一念発起して、国家資格を独学で取得した方
- 民間のプログラミングスクールに通ってスキルを身に着けた方
- 資格やスキルにより、前職より条件が良くなった方
などなど、たくさんの喜びの声をいただきます。
また、今まで取れなかった趣味やご家族との時間を取ることができ、今後の人生をみなおす大きなきっかけになったとおっしゃってくださる方もおられます。
あるいは、両親の介護をやり遂げ、「大変だったが、後悔のない最後を迎えられた」とのお声を頂く機会も増えてきました。
なかには、あえて知らない土地に引っ越し、人生をリセットするつもりで頑張る方もいらっしゃいます。
常にお伝えさせていただいていることでもございますが、
- 今の会社にいて明るい未来が見えない
- デメリットよりもメリットのほうが大きい
とお考えであれば、利用できるうちに利用して退職されても良いのではないかと思います。
社会保険給付金は、誰でも利用できる制度ではないからですね。
社会保険給付金も失業保険も、退職者を応援するための支援制度ですので、ぜひ有意義にご活用下さい。
以上になります。
筆者の三浦に直接質問をしてみたい方、給付診断を利用されたい方は、ぜひ下記よりご連絡ください。
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