この記事では、退職後の社会保険給付金（傷病手当金）について、自己都合退職でも受給できるかについて、ご案内させて頂きます。
結論から申し上げますと、可能ですが注意事項がございます。
記事を書いている、私、三浦龍馬自身は元受給者であり、現在は累計で数千名の給付申請のサポートを行っております。
そうした経験から、プロの目線と元受給経験者の目線の両方から、正しく現実的な申請のアドバイスをまとめました。
社会保険給付金（傷病手当金）とは
社会保険給付金とは、休職時もしくは退職した後に受給することができる給付金です。
公的名称を傷病手当金といいます。
ここでは退職して申請する前提でお話してきます。
社会保険給付金だけで最大18か月受給することができ、
失業保険と合わせると最大で28か月（45歳以上64歳未満で最大30か月）になります。
社会保険給付金の申請条件は？
社会保険給付金の申請条件は下記となっております。
1.心身の調子が悪く、仕事の継続がつらい方
2.退職日時点で社会保険に1年以上継続して加入している（扶養ではなく自身で）
3.在職中である
上記に該当する方が、在職中に医師の診断をうけ、所定の手順にのっとった上で申請することができます。
社会保険給付金は自己都合退職でも申請できる？
結論から申し上げますと、自己都合退職でも申請可能です。
私のお客様の90％以上は自己都合退職あつかいで、社会保険給付金を受給されておられます。
むしろ、自己都合退職で受給するのが一般的であり、多数派ですのでご安心ください。
また、失業保険のように、自己都合退職か会社都合退職かで受給可能期間が変動することもございません。
受給対象ともなれば、自己都合退職でも会社都合退職でも、最大で18ヶ月受給可能になります。
退職届にはなんと書いてあってもいいの？
自己都合退職と言っても、いろいろな理由がありますよね。
- いわゆる「一身上の都合」で出したけど良いの？
- 会社にはとりあえず「実家に帰る」「やりたい仕事がある」と伝えている
と言う方もいらっしゃることでしょう。
これらについては、結論、どのような理由で伝えていただいても対処可能です。
※ただし、大手企業など、会社運営の健康保険組合に入っている方などは、退職前にちょっとした対処が必要なことも出てきます。
会社都合退職や定年退職でも社会保険給付金を申請できる？
こちらも、可能です。
前述の通り、社会保険給付金においては、自己都合でも会社都合・定年退職など、退職方法により受給内容が変わることはありません。
対象者であれば、最大18ヶ月間申請することができます。
申請の注意事項
前述の通り、退職理由にかかわらず申請が可能な社会保険給付金ですが、下記の場合は、注意が必要です。
労災や休業補償を申請する（している）場合
労災の申請をしている場合は、注意が必要です。
社会保険給付金は、労災と同じ傷病では申請できません。
また、労災休業補償を受ける場合、受給期間が被ってしまいますと、金額が高い方の分しか受け取れなくなります。
申請する予定がある方/すでにしている方は、あらかじめご相談下さい。
「いったんは、申請の通りやすい社会保険給付金で申請し、労災休業補償が承認されれば、以降は切り替える」といった臨機応変なご提案をさせていただきます。
老齢年金を受給する方/受給開始が近い方
社会保険給付金と老齢年金は、両方の分を受給することができません。
金額が高い方の分だけ、受給することになります。
仮に一ヶ月あたり、社会保険給付金が30万円/老齢年金が20万円ならば、30万円分だけ受け取れるということですね。
繰り上げ受給（65歳になる前に前倒しで年金を受け取ること）を予定されている方、65歳以上の方や65歳の誕生日が近い方は十分ご注意下さい。
社会保険給付金の受給見込額は私の方で算出させていただいておりますので、年金事務所から案内される年金の支給予定額と見比べたり、繰り下げ受給（年金の受給開始を遅らせること）を検討されると良いでしょう。
まとめ
社会保険給付金の申請において、退職理由（自己都合か会社都合か）で左右されることはございません。
既に退職理由を告げた方でも、申請チャンスを失うことはありませんので、どうぞご安心ください。
また、より社会保険給付金（傷病手当金）について知りたい方は、下記記事が良くまとまっておりますのでご参考ください。
筆者の三浦に直接質問をしてみたい方、給付診断を利用されたい方は、ぜひ下記よりご連絡ください。
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